炭都芸術祭現代アート展
現代アート作家展覧会の様子を引き続きご紹介したいと思います。
展覧会場である石炭産業科学館の円形ホールから、2階へ続く階段を登ろうと、ふと上を見上げてみると、何やら絵具の跡のようなものが見えます。これも実は、加藤 笑平さんの作品の一部なんです。
この作品は、屋上の展望室にまで続いています。
そして、吹き抜け部分に展示してあるのは、芸術祭のオープニングイベントの際に、書のパフォーマンスで3名の書家、松尾 理恵子さん、齊藤 容子さん、田中 なつみさんが描かれた作品です。
階段の壁面には、写真が展示されています。
こちらは、阿部 将英さんの作品で「元気になれるお店を」(左)と「子供達が夢を持てる街に」(右)です。
続いて、フォトグラファーの末藤 昂一さんの作品「光」(左)、「天空への道」(右)です。
自然に包まれたとても幻想的な写真です。
こちらは、KG photo creator の北島 圭悟さんの作品「光芒」(左)と「壊路」(右)です。
こちらは、ふるいけ 博文さんの作品「タイムスリップ」(左)、「雪化粧」(右)です。
世界遺産である宮原坑の雪化粧という荘厳な姿をみることができます。
こちらは、2階のホールに展示してあります、ニホ ヒロノリさんの「大牟田アーカイブ2008」です。大牟田を様々視点で捉えた写真を集めてインスタレーション展示をしてあります。
どこか見覚えのある風景や初めて出逢う景色など、たくさんの出逢いが凝縮された作品です。
2階のオリエンテーション室に足を進める途中に、目に飛び込んでくる中庭の作品は、辻川 綾子さんのインスタレーションで「む…5」です。大牟田で拾い集めたものを集合させて吊りあげたインスタレーションは、大牟田に点在する私たちが身近過ぎて気がづかない大切な何かを拾い集めてくれたかのように、様々な想いを感じ取ることができます。
オリエンテーション室に進むと、働 淳さんの作品
「木になる人(Ⅰ)」、「木になる人(Ⅱ)」、「木になる人-江津湖にて」が展示されています。
詩もてがけられる働 淳さん、今回の芸術祭では、
熊本地震を意識して書かれた詩も展示してあります。
こちらは、 オープニングイベントの書のパフォーマンスの際に書家の松尾 理恵子さん、齊藤 容子さん、田中 なつみさんが書かれた作品です。
この作品は、北岡 哲 さんの作品「SAKANA」です。
前回の芸術祭は石炭産業科学館の外に大きな魚を展示していただいていました。
加工した木が組み立てられて出来ています。今は魚の骨ですが、これから様々な人の手が加わり成長をしていくそうです。進化の過程を見ているみような気になります。
外に出ると、池田 ひとみさんのインスタレーション「unknown knittings」が展示されています。毛糸を編んで創られたインスタレーションです。普段何気ない何かの一部である毛糸がこうして形となっていると様々な想いが隠れているかのように思えてきます。そして、風に吹かれ形を変えて躍る編まれた毛糸達は、何かを一生懸命主張しているようにも見えてきます。
屋上の展望室に登ると、加藤 笑平さんのインスタレーションがあります。
皆さん、1階の企画展示室に展示されていた加藤さんの作品を思い出してください。
実は、あの作品はここから続いているのです。
大牟田のまちに訪れて得たインスピレーションから、石炭産業科学館の屋上ガラスに絵具をのせて、版画のように紙に転写する「モノタイプ」という技法を使ってつくられています。ここでは、ガラスの絵具をそのままにして、大牟田でみつけたものもインスタレーションとして展示してあります。まさに、大牟田の地の底から空まで続く軌跡のようです。展覧会に訪れたら是非、屋上の展望室まで登ってみてください。
ここからは、海が一望できます。アートを通して夕陽を優しく映し出す海が見られる場所なんてここだけかもしれません。ここから海を眺めていると、改めて大牟田の宝物である自然の産物を感じることができます。
炭都芸術祭は、アートを通して新しい価値創造していくことをテーマとしています。 私たちが、次世代に引き継いでいくものは、地の底から続いてきている軌跡の上にある宝物です。そこに、新しい価値を創造していくのは自分自身かもしれません。
大地の恵みの上にある、このアート作品たちは、あらゆる可能性を私たちに教えてくれているかのようです。
炭都芸術祭は、11月6日(日)までです。
11月3日(祝)は、宮原坑でマルシェと3Dプロジェクションマッピングも開催します。宮原坑が世界遺産に認定され1年が経ちます。大牟田の近代化を支えてきた宮原坑は、今、新しい役割を担い今も大牟田のまちを見守ってくれています。そこのある想いをアートを通して皆様にお伝えできますように。